レンギョウについてです。
2007/09/01 日記<レンギョウ>
レンギョウ
レンギョウ(連翹)とは、広義にはモクセイ科レンギョウ属の総称(それらから育種学|品種改良で作られた栽培品種|園芸品種をも含める)。狭義には、レンギョウ属の種の一つ、学名 ''Forsythia suspensa''の和名を指す。一般には広義の意味で称されることが多い。季語は春である。
レンギョウ ''F. suspensa''
レンギョウ(学名 ''Forsythia suspensa'')は中国原産の落葉性低木広葉樹。雌雄同体#種子植物の場合|雌雄異株。別名、レンギョウウツギ(連翹空木)。古名は、いたちはぜ、いたちぐさ。中国名は黄寿丹。英名はゴールデンベル(Golden Bells , Golden bell flower)。属 (生物学)|属名の ''Forsythia'' は、19世紀初頭にイギリスの王立植物園の監督官を務めた園芸家ウィリアム・フォーサイス(William A. Forsyth , 1737 - 1804年)に因み、種 (生物)|種小名の''suspensa'' は枝が“垂れる”意味である。日本への渡来は古く、『出雲風土記』や『延喜式』にもレンギョウの名前が見られる。(薬用として平安時代初期に渡来したといわれているが、実際に渡来した時期は定かではなく、江戸時代前期に栽培の記録があることから江戸時代だという説もある。)和名のレンギョウは、漢名の連翹を音読みしたものであるが、実は誤用されたものであった。そもそも原産地の中国で連翹とは、トモエソウ(学名:''Hypericum ascyron''、中国名:連翹(大連翹))もしくはオトギリソウ(学名:''Hypericum erectum''、中国名:小連翹)のこと。これらどの実も薬用されていたこともあって日本では、現在のレンギョウの実が連翹と誤って売られるようになり、ついにはレンギョウが連翹として認識されるに至った。しかし、現在も中国において連翹と書くとトモエソウもしくはオトギリソウのことを指す。繁殖力が旺盛で、よく繁る。樹高は1〜3メートルまで育ち、半つる性の枝は湾曲して伸び下に垂れ、地面に接触すると、そこからも根を出し新しい株が出来る。枝は竹のような節を持つ。また、枝の髄が早期に消失するため、節の部分を除いて中空になる。(このことから“空の木”、レンギョウウツギ(連翹空木)という別名が付いた。この呼称は最初、本来の連翹(トモエソウ)との誤用に気付いた時、区別するために使われた。) まだ葉が芽吹く前の早春(3〜4月頃)、2〜3センチの黄色い4弁の花が、細い枝に密に多数開く。その花が咲き終わる頃、入れ違うかのように今度は、緑色の葉(長さ3〜10センチ、幅2〜5センチの長卵型。葉先は鋭尖で、葉縁にまばらな葉#葉の周辺の形状と裂け方|鋸歯がある。)が葉#葉序|対生に芽吹き、それが秋になると濃緑色、概憤色(くすんだ黄緑色)、紫色と順に変色し、最後に落葉する。付いた果実は漢方薬(#薬用|下記参照)として用いられる。
レンギョウ属
レンギョウ属には、7種(アジアに6種とヨーロッパに1種)の原種、および幾つかの園芸用に交配された雑種がある。どの種も黄色い4弁の花が特徴的である。中国・朝鮮半島・ヨーロッパ各地でも多く植栽され、春を告げる花として知られている。
中国・朝鮮原産種
中国原産種として、上記のレンギョウ(学名:''Forsythia suspensa'',中国名:黄寿丹)の他、ギラルディアナ(学名:''Forsythia giraldiana'',中国名:和秦翹)、シナレンギョウ(学名:''Forsythia viridissima'',中国名:金鐘花)がある。そのシナレンギョウの変種といわれるのが、朝鮮半島原産種のチョウセンレンギョウ(学名:''Forsythia ovata'' (''Forsythia koreana'',''Forsythia viridissima var. koreana'')、朝鮮名:ケナリ())である。チョウセンレンギョウは、朝鮮半島ではカラムラサキツツジ|カラムラサキツツジ(朝鮮名:チンダルレ())と共に、春の訪れを告げる花として親しまれている。日本の公園や庭木などで「レンギョウ」として一般的に植栽されているのは、レンギョウ、シナレンギョウ、チョウセンレンギョウである。耐寒性耐暑性に優れているため、日本全国に分布している。大気汚染や病虫害にも強く、どんな土壌でもよく育つ事から、庭木、公園、垣根に用いられることが多い。これら3種はよく似ているが、幹を縦に切ると、レンギョウは芽の出る部分以外が中空、シナレンギョウは芽の出る部分を含み細かい梯子状の髄があり、チョウセンレンギョウは芽の出る部分以外に細かい梯子状の髄がある。また、レンギョウ、チョウセンレンギョウの枝は弓なりに長く伸び下垂するが、シナレンギョウは枝が直立し上向きに張って伸びる傾向があるため、園芸業界では、それぞれ「シダレレンギョウ(ツルレンギョウ)」「キダチレンギョウ」と区別して呼ぶことがある。
日本原産種
先述したように、日本で一般に植栽されているレンギョウ類の多くが、シナレンギョウ、チョウセンレンギョウと外来種である。しかし、日本にも一部の地域に自生している野生種がある。中国地方の石灰岩地に分布しているヤマトレンギョウ(学名:''Forsythia japonica'')と、瀬戸内海の小豆島の石灰岩地に分布しているショウドシマレンギョウ(学名:''Forsythia togashii'')である。これら日本原産種は他のレンギョウ類に比べて開花時期が4月〜5月頃と遅い。ヤマトレンギョウは葉に先立って花を咲かせ、ショウドシマレンギョウは葉の展開と同時期に独特の緑色を帯びた黄色い花を咲かせる。この2種は、全国的にも限られた地域にしか分布しない固有種で、森林開発、人工造林、園芸採取などによって現在の生育地で絶滅すると野生状態では地球上から完全に消滅してしまうことになるため、(国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに準拠した)環境省のレッドリストによって、絶滅危惧種に指定されている。
ヨーロッパ原産種
バルカン半島原産種の、セイヨウレンギョウ(学名:''Forsythia europaea'')がある。アルバニア、セルビア、モンテネグロの一部に自生している。
園芸種
1880年にドイツで作出されたレンギョウとシナレンギョウとを交配させたインテルメディア(学名:''Forsythia x intermedia'')が代表的で、スペクタビリス(''Forsythia x intermedia‘spectabilis’'')などの栽培品種がある。花は大輪で多花性。ヨーロッパで広く栽植されている。我が国で流通している切花の多くはこの品種である。最近ではインテルメディアにさらに別の品種を交配させたり、また他にも多くの品種改良が行われ、様々な鑑賞用の品種が作出されている。
薬用
漢方医学では「連翹」と呼ばれ、解熱剤、消炎剤、利尿剤、排膿剤、腫瘍・皮膚病などの鎮痛薬に用いる。成分にトリテルペン、モノテルペングリコシド、リグナンを含み、強い抗菌作用がある。成熟果実を一度蒸気を通したのち天日で乾燥し用いる。日本薬局方においては、レンギョウまたはシナレンギョウの果実を用いている。* 連翹が配合された方剤の例
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
響声破笛丸(きょうせいはてきがん)
銀翹解毒散(ぎおんぎょうげどくさん)
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
龍胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
連翹忌
4月2日は彫刻家・詩人の高村光太郎(1883年 - 1956年)の命日で、これを連翹忌とも呼ぶ。これは、高村が生前好んだ花がレンギョウであり、彼の告別式で棺の上にその一枝が置かれていたことに由来する。
comment(" >0) trackback(" >9)